高齢者と接する場合には、上手にコミュニケーションをとるためのコツを把握しておく必要があります。まずは、加齢に伴って、体の機能が衰えるということに理解が必要です。特に、目と耳の機能が衰える高齢者は多く見られます。
加齢に伴い目が見えにくくなったり耳が聞こえにくくなったりすることで、コミュニケーションに支障が出るケースがあります。相手の顔が見えないと不安になることもあるので、目線を合わせて会話をしましょう。その際、高齢者が聞き取りやすいように、大きな声でゆっくり話すことがポイントです。眼鏡や補聴器の使い心地をチェックすることも大切です。眼鏡の度が合わないとものが見えにくくなり、補聴器の性能が悪いと音を聞き取れなくなるため、定期的にメンテナンスをしましょう。
誰かと会話することを楽しみにしている高齢者は大勢います。高齢者に満足してもらえるようなコミュニケーションをとりたいなら、話には熱心に耳を傾ける必要があります。自分の話を聞いてもらえると、高齢者はとても安心します。上手に相槌を打てば、さらに安心感は増すでしょう。ただし、言葉の選び方には十分に注意が必要です。「うん、わかった。それで?」など、話を急がせるような相槌を打つと高齢者の自尊心までも傷つけます。
また、すでに聞いたことがある話に対して「前にも聞いた」と言ってはいけません。何度も話すのは、高齢者にとって大切な思い出の証拠だからです。高齢者の話には、大きくうなずきながら「そうですね」など肯定的な相槌を打つことが、上手なコミュニケーションのコツです。